地域行事で講師や協力者に「謝礼」や「寸志」を渡したあと、「領収書ってどう書けばいい?」と迷うことはありませんか。
自治会会計では、金額の大小にかかわらず領収書が必要です。
この記事では、「謝礼」「寸志」「お心付け」などの違いに応じた正しい但し書きの書き方と、すぐ使えるWord/PDFテンプレートを紹介します。
会計担当者が迷わず処理できるよう、記入例付きで解説しています。
用途別の但し書き例|「謝礼」「寸志」「お心付け」の書き分け
領収書の「但し書き」は、お金を渡した目的を簡潔に書くのが基本です。
「謝礼」「寸志」「お心付け」などの言葉に迷ったときは、下の表を参考にしてみてください。
| 用途・シーン | 但し書きの書き方例 | 補足・注意点 |
|---|---|---|
| 講師を招いた行事(講演会・講習会など) | 講師謝礼として | 最も一般的な書き方。講師名を入れてもOK。 |
| 地域行事の協力者・出演者へのお礼 | 行事協力への寸志として | 感謝を表す場合。「謝礼」と書いても問題なし。 |
| ボランティア・無償協力へのお礼 | 活動協力のお心付けとして | 「お心付け」でも良いが、会計上は「謝礼」と統一しても可。 |
| 神事や式典などの奉仕者へのお礼 | 奉仕謝礼として | 神主・僧侶など宗教関係の行事で使用。 |
| 物品提供など実費補助 | 実費弁償として | 謝礼ではなく経費補填の場合はこちら。 |
領収書テンプレート(Word/PDF)
地域行事や講師依頼で使える3種類の領収書テンプレートを用意しました。
A4サイズで印刷しやすく、自治会会計でも使いやすいレイアウトになっています。
Word版は入力欄を直接編集でき、PDF版(汎用タイプ)は印刷して手書きでも利用できます。
① 礼文入りタイプ(2枚構成)


「このたびはご協力いただき誠にありがとうございました。」の一文入りで、講師謝礼や行事協力など、丁寧さを重視したい場面におすすめです。
A4に2枚配置されており、印刷して切り分けて使えます。
② シンプルタイプ(4枚構成)


あいさつ文を省いた実務向けデザイン。
「上記金額を領収しました。」までの最小構成で、イベントや物品購入などの一般支出にも使いやすい形式です。
A4に4枚入りで、印刷コストも抑えられます。
③ ナンバー管理タイプ(3枚構成)


「発行日」「No.」欄付きで、会計監査や連番管理が必要な自治会・団体向けの形式です。
A4に3枚構成で、通し番号を手書きまたは入力で管理できます。
| テンプレ種類 | Word版 | PDF版 |
|---|---|---|
| 礼文入りタイプ | ⬇️Word版をダウンロード | ⬇️PDF版をダウンロード |
| シンプルタイプ | ⬇️Word版をダウンロード | ⬇️PDF版をダウンロード |
| ナンバー管理タイプ | ⬇️Word版をダウンロード | ⬇️PDF版をダウンロード |
会計処理上の注意点|領収書を確実に残すために
領収書は、支出を証明する正式な会計書類です。
渡した金額が少額でも、監査や次年度の引き継ぎのために必ず残しておきましょう。
よくあるミスと対策
| よくあるケース | 問題点 | 対策 |
|---|---|---|
| 領収書をもらい忘れた | 会計帳簿と証憑が合わない | 渡す前に必ず「領収書をお願いします」と伝える |
| 相手が領収書を発行できない | 個人の場合によくある | 自治会側で「受領書」を作成して署名してもらう |
| 金額が異なる | 書き間違いや桁違い | 領収前に金額を口頭で確認し、控えを取る |
| 印鑑が押されていない | 証憑として不完全 | 署名があれば代用可だが、原則は押印を依頼 |
| 領収書の保管忘れ | 監査時に証明できない | 会計年度ごとに「支出ファイル」を作成して整理 |
まとめ
「謝礼」や「寸志」を渡すときは、気持ちを形にするだけでなく、会計の記録としてもきちんと残すことが大切です。
領収書を正しく発行・保管しておけば、後から「誰に・いくら渡したか」が明確になり、監査や引き継ぎもスムーズです。
マナーとして丁寧に、会計として正確に。
その両方を整えることが、地域活動を安心して続ける一番の近道です。