体調を崩したり、災害で被害を受けたりしたとき、
「何か力になりたい」と感じるのは自然なことです。
自治会でも、そんな気持ちを形にしたものが「お見舞金」です。
ただ、いざ準備しようとすると――
「いくら包めばいいの?」「どんな封筒を使う?」「渡すタイミングは?」
と、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
この記事では、自治会や地域活動の中でお見舞金を渡すときの金額の目安・封筒の書き方・渡し方のマナーを整理しています。
かしこまりすぎず、相手に負担をかけない“温かい伝え方”を一緒に考えていきましょう。
お見舞金とは?
お見舞金とは、病気・けが・災害などで困っている人を気遣い、励ますために渡すお金のことです。
「お祝い」や「お悔やみ」とは異なり、相手の状況を思いやる“中間的な贈り物”といえます。
たとえば、病気見舞いであれば「早く元気になってほしい」、災害見舞いであれば「少しでも助けになれば」という気持ちを込めて包みます。
つまり、感謝や対価ではなく、“支援と励まし”の気持ちを届けるお金です。
一方で、「謝礼」や「寸志」はあくまで“お礼の意味”を持つお金です。
この点でお見舞金とは目的が異なります。
また、会費や負担金のように義務として支払うものでもありません。
お見舞金は「形式よりも心」が基本。
無理のない範囲で、気持ちを添えて渡すのが最も自然です。
お見舞金の金額相場(自治会・個人別)
お見舞金の金額は、相手との関係や自治会の慣習によってさまざまです。
ここでは、自治会として渡す場合と個人で渡す場合に分けて、一般的な相場をまとめました。
| 対象 | 相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 自治会として渡す場合 | 3,000〜5,000円 | 会則や慣例で定める自治会も多い |
| 個人(役員・班長など)から渡す場合 | 1,000〜3,000円 | 寄せ書きやお花を添えるのも◎ |
| 会員個人から渡す場合 | 3,000〜10,000円 | 親しさ・関係性に応じて調整 |
| 災害・被災見舞い | 1,000〜10,000円程度 | 状況に応じて柔軟に判断(世帯単位など) |
金額に正解はありませんが、相手への思いやりと地域のバランスを意識すると、自然と適切な範囲に収まります。
封筒と表書きのマナー
お見舞金を包むときは、封筒や表書きの選び方にも気をつけましょう。
相手の状況によって使う封筒が異なります。
表書きの書き方
| 状況 | 表書きの例 | 補足 |
|---|---|---|
| 病気やけがの場合 | 「お見舞」「御見舞」 | 一般的な見舞い全般に使える |
| 災害(火災・水害など)の場合 | 「災害見舞」「火災見舞」 | 状況に応じて具体的に書く |
表書きの文字は、毛筆または筆ペンで楷書が基本です。
ボールペンは略式になりますが、自治会などの実務上は許容されるケースもあります。
封筒の種類
- 紅白結び切り(のしなし) … 病気・けがなど、繰り返してほしくない出来事に使う
- 白封筒(無地) … 災害見舞いなど、形式よりも簡素さを重視する場合に最適
- のし袋ののし(飾り部分)は不要です。見舞い金は祝い事ではないため、控えめな封筒を選びましょう。
中袋の書き方
- 中袋がある場合:
表に「金〇〇円」、裏に「住所・氏名・自治会名」を記入します。 - 中袋がない場合:
封筒の裏面に同様の内容を記入すればOKです。
参考詳しい表書きや封筒選びに迷ったら、
封筒表書き一覧|御花・謝礼・寸志・お心付けの正しい書き方 も参考にしてください。
渡すタイミングと添え言葉
お見舞金は、相手の状況に合わせたタイミングで渡すことが大切です。
焦らず、相手の気持ちや体調を考慮して行動しましょう。
渡すタイミングの目安
| 状況 | タイミング | 注意点 |
|---|---|---|
| 病気・けがの場合 | 体調が安定してから | 入院直後や手術前後は避けるのが無難 |
| 災害(火災・水害など)の場合 | できるだけ早めに | 直接訪問が難しい場合は代理で届けることも |
| 会として渡す場合 | 役員会などで決定後すぐ | 代表者が簡単な言葉を添えて手渡すのが丁寧 |
手渡すときの言葉例
- 「一日も早いご回復をお祈りしています。」
- 「心ばかりですが、皆でお見舞いの気持ちをお届けします。」
- 「どうぞ無理なさらず、ゆっくりお休みください。」
無理に長く話す必要はありません。
短い言葉でも、心を込めて伝えることが一番大切です。
代理で渡す場合は、封筒の裏面に「〇〇自治会役員一同」などと書いておくと分かりやすくなります。
まとめ
お見舞金でいちばん大切なのは、金額よりも気持ちの伝わり方です。
少額でも、心のこもった言葉を添えれば十分に想いは届きます。
形式や正解にこだわりすぎず、相手が受け取りやすい形を選びましょう。
お見舞金は、地域のつながりを確かめる小さなきっかけでもあります。
お互いを思いやる気持ちを忘れずに、「渡してよかった」と思える形を大切にしましょう。
- 封筒の表書きを詳しく知りたい方は
→ 封筒表書き一覧|御花・謝礼・寸志・お心付けの正しい書き方と使い分け早見表 - 「謝礼」や「お心付け」との違いを整理したい方は
→ お心付けとは?謝礼・寸志との違いと使い分け - お金マナー全体の流れを知りたい方は
→ 自治会・地域行事のお金マナー完全ガイド


