お金を包むとき、「のし袋を使うほどでもないけれど、茶封筒では少し雑に見える」と感じたことはありませんか。
地域行事やお礼のやり取りでは、そんな“中間の場面”がいちばん多いように思います。
実際のところ、どんな封筒を選ぶかで「この人は丁寧だな」と思われるか、「ちょっと雑だな」と見られるかが決まります。
この記事では、白封筒や100均の祝儀袋など、略式封筒の選び方と使い方を整理します。
「失礼にならない範囲で、きちんと見せたい」という人に向けて、現場感覚でまとめました。
略式封筒とは?
略式封筒とは、のし紙や飾りのない白無地の封筒のことです。
見た目はシンプルですが、清潔感があり、相手に丁寧な印象を与えます。
特に最近では、100円ショップなどでも厚めの紙質で透けにくいタイプが増えており、実用性も十分です。

白封筒タイプの祝儀袋も増えている
近年では、「祝儀袋」として販売されているものの中に、のし紙や水引がない白封筒タイプもあります。
これはのし袋の中袋と同じサイズ(約90×180mm)で、パッケージにも「祝儀袋(白無地)」と明記されていることがあります。
つまり、「祝儀袋=のし付き」とは限らず、白封筒も“儀礼用の金封”として扱われるようになっています。
このように、略式封筒は「正式な祝儀袋を簡略化した実用的な封筒」といえます。
紙質や厚みもほとんど同じで、現場では見た目の印象もほとんど変わりません。
どんな略式封筒を選べばいいか
白封筒といっても種類が多く、紙質や作りの違いで印象が変わります。
ここでは、現場で使いやすく、見た目にもきちんとして見える封筒を整理しました。
白封筒の種類とフォーマル度
| 種類 | サイズ(mm) | 紙質 | フォーマル度 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 大礼紙封筒(和紙タイプ) | 長4(205×90) | 和紙風 | 高い | 上品でやわらかい印象。祝儀袋に近い雰囲気。 |
| 白二重封筒(透け防止) | 長4(205×90) | 上質紙 | 中〜高 | 中身が透けず、役員の謝礼などにも使える。 |
| 無地白封筒(普通紙) | 長4(205×90) | 薄手 | 中 | 100均や文房具店で入手しやすい。実用的。 |
| 祝儀袋(白無地) | 90×180 | 厚手 | 中〜高 | のし袋と同格の印象。簡潔に礼を表したいときに。 |
| ポチ袋(無地) | 70×120 | 普通紙 | 低〜中 | 少額の寸志やお茶代など、軽い場面向け。 |
現場で使いやすいおすすめ
いろいろ試してみた中で、使いやすさと見た目のバランスが良かったのは次の3種類です。
大礼紙封筒(和紙タイプ)
上品な和紙風の質感で、見た目も丁寧に見えます。
50枚入りで700円前後と手頃で、フォーマル感を出したい人には最もおすすめです。
白二重封筒(透け防止)
透けにくく、自治会の謝礼や寸志などで万能に使えます。
紙が少し厚く、封筒の形も安定しています。
100均の白祝儀袋(無地)
手軽に買えるのが魅力で、急な行事でもすぐに対応できます。
ただし、製造の個体差が大きく、閉じ方が歪んでいる場合があります。
きっちりした印象を大事にするなら避けたほうが無難です。とはいえ、近くにお店があって「今すぐ必要」というときには十分実用的です。

白封筒で対応できるケースと注意点
「白封筒でも大丈夫なの?」という声はよく聞きます。
実際のところ、地域行事やちょっとしたお礼では、白封筒で十分に通用する場面が多いです。
ただし、すべての用途に使えるわけではなく、どんな言葉を書くか・誰に渡すかで判断が変わります。
ここでは、白封筒で対応できるケースと、注意すべきポイントを整理します。
白封筒で対応できる主なケース
| 用途 | 封筒の種類 | 補足 |
|---|---|---|
| 御礼・寸志・お心付け | 白封筒または祝儀袋(無地) | 数千円程度までなら十分。印刷済み「御礼」タイプが便利。 |
| 御花・御花代 | 白封筒(自書き) | 市販に「御花」印刷は少ないため、筆ペンで中央に書く。 |
| 会費・負担金 | 白封筒(二重封筒が理想) | 金額・氏名を裏面左下に書く。清潔さ重視。 |
| 交通費・お茶代など少額 | 白封筒・ポチ袋 | 気持ちを伝える略式として自然。 |
| 香典・災害見舞いなど | 専用のし袋(黒白) | 白封筒は不向き。必ず専用封筒を使用。 |
このように、白封筒は「日常的なやり取り」「身内や同じ地域内の関係」なら十分に使えます。
ただし、儀礼的な行事や高額の包みにはのし袋を使うのが無難です。
印刷済みの表書き封筒を選ぶと安心
「御礼」や「御祝」など、よく使う言葉は最初から印刷された封筒を選ぶと、字のバランスが整って見えますし、筆ペンが苦手な人にも安心です。
100均や文房具店、ネット通販でも「筆文字印刷済み」の白封筒が手に入ります。
一方、「御花」「お心付け」「協賛金」など地域独特の表書きは、既製品がほとんどありません。
その場合は自分で書くしかありませんが、中央に縦書きで落ち着いて書けば問題ありません。

迷ったときの判断基準
- 相手が同じ地域・立場
→ 白封筒で十分 - 外部や目上の人
→ のし袋が安心 - 金額が5000円以上
→ 二重封筒または金封 - すぐ渡す・少額
→ ポチ袋でOK
白封筒は「簡略化した礼の形」です。
形式にこだわりすぎず、「どんな場面でどう見えるか」を意識して選ぶのが自然です。
白封筒を使っても失礼にならない場面
白封筒は略式でも、使い方を選べば十分に礼を尽くした印象になります。
むしろ、のし袋を使うよりも自然に感じられる場面もあります。
- 地域行事の謝礼(講師・協力者など)
- 寸志やお心付けなど少額の包み
- 近所・同じ役員など身近な関係へのお礼
封筒そのものよりも、「書き方」「清潔さ」「渡し方」で印象が決まります。
同じ白封筒でも、文字がまっすぐで折り目が整っていれば、それだけで“きちんとしている人”という印象になります。
きれいに見せる書き方と扱い方のコツ
白封筒はシンプルだからこそ、少しの工夫で印象が変わります。
- 表書きは中央に縦書きで整える(「御礼」「寸志」など)
- 裏面は左下に氏名や金額を書く
- 金額は「金伍千円」のように漢数字で
- 封筒はのりで軽く留め、折れや汚れは避ける
渡すときは、表書きを相手のほうに向けて両手で差し出すと自然です。
略式封筒の丁寧さは、形よりも「整っていること」で伝わります。


まとめ(現場目線の判断基準)
白封筒を使うことは決して失礼ではありません。
相手との関係や場の空気に合わせて“どう見えるか”を意識すれば、略式でも礼を欠くことはありません。
むしろ、のし袋を使うほうが重く感じる場面もあります。
封筒のマナーは「心のあり方」ではなく、自分をどう見せたいかの表現に近いものです。
形式を整えることで、余計な誤解や気まずさを防げます。
略式封筒は「無理をせずに印象を整える」ための現実的な選択肢といえます。
封筒選びに迷ったときは、「どう思われたいか」「どんな場面か」で考えると判断しやすくなります。
きれいに整った封筒と落ち着いた渡し方ができていれば、それだけで十分です。
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