自治会や地域行事などでお礼や寸志を包むとき、
「封筒の裏には何を書くのか」「金額や名前はどこに書けばいいのか」──
そんな疑問を持つ人は多いようです。
このページでは、中袋を使わない白封筒(外封筒)を使うときの裏面の書き方をまとめています。
のりしろの段差があるため、中央には書かず左下または右下寄りに配置するのが自然です。
裏面は「中袋の代わり」として、金額や名前を簡潔に添える場所。
正式な儀礼マナーというより、実務的に見やすく整えることを目的に考えます。
中袋あり・なしで外袋に書く内容は変わる
封筒(外袋)の裏面に何を書くかは、中袋(中包)があるかどうかで変わります。
ここを整理しておくと、どこに金額を書くかで迷うことがなくなります。
| 種類 | 構成 | 外袋の裏面に書く内容 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 中袋あり(のし袋タイプ) | 外袋+中袋 | 裏面は金額も氏名も書かず、封や〆印程度にとどめます。 | 金額は中袋の表面に「金五千円」などと書く。 |
| 中包あり(奉書紙タイプ) | 外袋+中包(紙包み) | 裏面は金額も氏名も書かず、封や〆印程度にとどめます。 | 中包の表面に金額、裏面に住所・氏名を記入。 |
| 中袋なし(白封筒タイプ) | 外袋のみ | 外袋の裏面に金額・氏名を記入する。 | 自治会や地域行事など実務でよく使う形。 |
本記事で解説しているのは、中袋を使わない封筒(略式タイプ)の裏書きです。
参考中袋を使う場合の記入例は、
中包と中袋の違いとは?で図解しています。
封筒の裏に書く意味と範囲を整理する(外袋・中袋なし前提)
外袋のみで包む場合、裏面は中袋の代わりとして情報を補う場所になります。
受け取る側が後で整理しやすいよう、最低限の情報をはっきり読める字で。
| 項目 | 意味 | 書くかどうかの目安 |
|---|---|---|
| 金額 | 中身の確認・記録 | ◎ 基本的に書く |
| 氏名 | 誰からかを示す | ◎ できれば書く |
| 住所 | お礼状などの連絡用 | △ 必要なときのみ |
| 日付 | 渡した日の記録 | △ 任意 |
のりしろによる段差を避け、左下または右下寄りの平らな部分に記入します。
封筒裏書き 早見表(中袋なし用)
外袋のみ(中袋なしの白封筒)で使う実務版の早見表です。
| 項目 | 書く位置 | 書き方の例 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 金額 | 左下 | 金五千円/金壱万円 | 段差を避け平らな面に |
| 氏名 | 金額より一段下げる/対角側 | ○○自治会 会長 △△ | 金額と並列にしない |
| 住所 | 左下すみ(小さく) | ○○市○○町○丁目 | 必要時のみ |
| 日付 | 左下または右下の余白 | 令和〇年〇月〇日 | 任意の補足 |
中袋なし封筒の裏面に書く内容と優先度(渡す相手・目的別)
封筒の裏面に何を書くかは、「誰に」「どんな目的で」渡すかによって変わります。
中袋のない封筒は、内容を見せる前提がなく、実務面での整理や印象づけの役割を持ちます。
そのため、金額や氏名を書くべきかどうかは、相手と状況で判断するのが自然です。
以下の表は、渡す相手や目的ごとに「書く項目の優先度」を整理したものです。
| 渡す相手・目的 | 金額 | 氏名 | 住所 | 日付 | 管理・判断ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 自治会・団体へ(会計処理が必要) | ★★★★★ 必ず書く | ★★★★★ 必ず書く | ★★★☆☆ 必要に応じて | ★★★★☆ 書いておくと便利 | 会計担当が整理・記録するため金額と氏名は必須。日付を入れると年度管理がしやすい。 |
| 地域行事・イベントへの寸志・御礼 | ★★★★☆ 書くのが望ましい | ★★★★☆ 書くのが望ましい | ★★☆☆☆ 省略可 | ★★☆☆☆ 状況で判断 | 複数人が渡す場合、誰の封筒か明確にしておくと後で混乱しない。 |
| 個人へのお礼(近隣・知人など) | ★★☆☆☆ 書かなくてもよい | ★★★☆☆ フルネームでなくても可 | ★☆☆☆☆ 不要 | ★☆☆☆☆ 不要 | 気持ち重視。金額より言葉の丁寧さが伝わる。 |
| 目上の人・来賓などへの謝礼 | ★★★★★ 書くのが基本 | ★★★★☆ 正式氏名で | ★★☆☆☆ 必要に応じて | ★★★☆☆ 控えめに | 金額を明示しても失礼にはならないが、全体の清潔感と整いを重視。 |
| 寄付・協賛などをまとめて提出 | ★★★★★ 必須 | ★★★★★ 必須 | ★★★★☆ 団体名や住所を添える | ★★★★☆ 書いておく | 会計台帳に転記されるため、誰がいくら出したかを明確に残すのが目的。 |
| ご近所間の集金・香典返しなど | ★★★★☆ 書いた方が整理しやすい | ★★★★★ 必須 | ★★★☆☆ 任意 | ★★★☆☆ あると便利 | 名簿整理や記録に必要。渡す相手が会計担当者であれば金額と氏名は必須。 |
| お見舞いやお心付けなど個人的な気遣い | ★★☆☆☆ 金額は書かないことが多い | ★★★★☆ 丁寧に添える | ★☆☆☆☆ 不要 | ★☆☆☆☆ 不要 | 心情が中心の場面では金額より気持ちが優先される。 |
判断の軸を整理すると
| 判断軸 | 意味 | 備考 |
|---|---|---|
| 相手が団体か個人か | 団体(会計・整理あり)なら金額・氏名必須 | 自治会・行事など |
| 記録や管理の必要があるか | 会計処理がある場合は金額+日付を必ず | 領収・記録用途 |
| 気持ちを伝える目的か | お見舞いやお心付けでは金額を明示しない方が自然 | 思いやり優先 |
| 封筒が回収されるか | 回収・整理される場合は金額・氏名セットで記載 | 寸志・寄付金など |
| 形式の丁寧さを求められるか | 来賓や目上には正式な書き方で整える | 印象重視 |
この優先度表を参考にすれば、どんな場面でも「どこまで書けば自然か」を判断できます。
参考実際の書き方は下記の、
「中袋なし封筒の書き方」記事もあわせてご覧ください。
書くときの注意点とNG例(外袋・中袋なし)
注意点
- 段差の上は避け、平らな面にゆっくり書く。
- 金額は「金五千円」「金壱万円」など漢数字で。
- 金額と氏名は上下配置で読みやすく。
- 濃い黒インクで、はっきり・丁寧に。
❌️NG例
| 例 | なぜ避ける? |
|---|---|
| 金5000円/¥5,000 | 略式・事務書類風で浮く |
| 赤や青のインク | 慶弔・式典で不適切になりやすい |
| 段差の上に記入 | にじみ・判読性低下 |
参考旧字体(壱・弐・参など)の一覧は
「金額旧字体の書き方」で確認できます。
種類別の配置例(外袋の裏面)
白封筒(外袋のみ・中袋なし)
地域行事や謝礼・寸志でよく使う形です。
外袋の裏に金額と氏名を直接記入します。

- 左右どちらかに寄せ、上下の段差で整理。
- 住所や日付は必要に応じて小さく追加。
のし袋の外袋(中袋/中包あり)
外袋は「表:上段に表書き(例:御礼・御花)/下段中央に贈り主の氏名」が基本です。
裏面には金額を書かず、記入も原則不要(封・〆の印程度)。住所や金額等の詳細は内側に記入します。
まとめ
外袋の裏書きは、中袋(中包)の有無で役割が変わります。
- 内側があるなら、外袋は氏名中心・金額は内側
- 外袋のみなら、裏に金額+氏名を読みやすく整理
のりしろの段差を避け、左下または右下寄りに落ち着いた字で。
それだけで十分に丁寧で、受け取る側にも分かりやすい封筒になります。


