封筒の「表書き」って、意外と悩みますよね。
「御花」「お礼」「謝礼」「寸志」「お心付け」──どれも正しそうに見えるけれど、場面によって微妙に意味が違います。
自治会の行事や地域の集まりでは、毎回のように誰かが封筒を準備します。
けれど「去年は御礼だったけど、今年は謝礼?」「お心付けでもいいのかな?」と迷う人が多いのが実情です。
この記事では、そんな迷いやすい表書きをひと目で比較できる一覧表をまとめました。
使う場面や相手の立場に合わせて、どの言葉を選ぶのが自然かがすぐ分かるので、封筒の書き方マナーに迷ったときの“早見表”として、ぜひお役立てください。
封筒表書きの基本マナー
封筒に書く「表書き(上書き)」は、金額の多い少ないではなく、相手への気持ちを言葉で表すものです。
まずは、どんな言葉を選ぶ前に押さえておきたい基本マナーを整理しておきましょう。
【ポイント1】目的に合わせて言葉を変える
同じ「お金を包む」でも、目的によって使う表書きは変わります。
| 目的 | 主な表書き例 |
|---|---|
| お祝い・寄付など気持ちの贈り物 | 御花・お花・お心付け |
| 労いや感謝を伝える謝意 | 謝礼・御礼・感謝 |
| 控えめな立場から渡す場合 | 寸志 |
どれも正しい表現ですが、「なぜ渡すのか」を意識して選ぶことが大切です。
【ポイント2】毛筆・筆ペンが基本
地域行事では、黒の筆ペンまたは濃いサインペンが一般的です。
毛筆風のフォントやペンを使うと、より丁寧な印象になります。
薄墨は弔事用なので避けましょう。
参考きれいな文字で仕上げたい方は、にじみにくく扱いやすい「筆ごこち」がおすすめです
【ポイント3】名前はフルネームで書く
封筒の下段には、渡す側の氏名をフルネームで書きます。
自治会などでは、「班名+氏名」で書くと誰からのものか分かりやすくなります。
例:〇班 山田太郎
【ポイント4】連名・代理の場合の書き方
複数名で出す場合は中央に代表者の名前を、右に「外一同」「他一同」と添えるのが一般的です。
代理で渡す場合は、封筒の裏に「〇〇様代理」などと書き添えると丁寧です。
参考封筒の書き方をもう少し詳しく知りたい方は、
「謝礼・寸志の封筒マナー完全ガイド」 で筆記具や書く位置の図解を紹介しています。
用途別|封筒の表書き一覧表
「どの言葉を使えばいいのか分からない…」というときは、まずこの表をチェックしてみてください。
よく使われる6つの表書きを、目的や相手の立場ごとに整理しました。
| 表書き | 主な使い方 | 渡す相手 | 補足・注意点 |
|---|---|---|---|
| 御花 | お祭り・地域行事への寄付やお供え | 神社・祭礼・地域団体など | 慶弔どちらにも使えるが、行事の趣旨に合わせて判断 |
| 謝礼 | 依頼した仕事や講演へのお礼 | 講師・出演者・協力者など | 対価的な意味が強い。金額が明確な場合に使う |
| 寸志 | 控えめに感謝を伝える | 目上の人・講師など | 「少しですが」の謙譲表現。自分より上の立場に |
| お心付け | 感謝や気持ちを伝える小額の包み | 手伝ってくれた人・職人など | 現金の“気持ち”として渡す。表書きを省く地域も多い |
| 御礼 | 一般的な感謝全般 | どんな相手にも使いやすい | 迷ったときの万能表現。フォーマルな場にも対応 |
| 感謝 | 協力や支援への深いお礼 | 団体や長年の功労者など | 柔らかく温かみのある印象。地域行事にも適する |
どの言葉も間違いではありませんが、場の目的や相手との関係性によって自然に感じる表現は変わります。
迷ったときは、「なぜ渡すのか」を考えると選びやすくなります。
参考詳しい使い分けは以下の記事で紹介しています。
地域行事でよく使われる表書き例
実際の地域行事では、「御花」や「お心付け」などが独自の慣習で使われています。
ここでは、自治会でよくあるシーンごとの自然な使い方を紹介します。
| 行事・場面 | よく使われる表書き | 補足ポイント |
|---|---|---|
| 秋祭り・だんじり・神事 | 御花・御花代 | 「御花」が最も一般的。金額の多い場合や神社宛てなら「御花代」もOK。 |
| 講師・出演者・来賓へのお礼 | 謝礼・寸志 | 講演・演奏・式典などに招いた場合は「謝礼」。目上の講師には「寸志」が丁寧。 |
| 清掃活動・防災訓練などの協力者へ | お心付け・御礼 | 金額が少額の場合は「お心付け」。フォーマルな文書に添えるなら「御礼」。 |
| 班長・役員交代・会計引継ぎなど | 感謝・御礼 | 「長年の労をねぎらう」気持ちを伝えるなら「感謝」も自然。 |
| 寄付・支援金・行事協賛 | 御花・御礼 | 支援へのお返しとしては「御礼」が多い。神社・祭り系なら「御花」。 |
地域によっては「御花」「お心付け」などがすべて慣例で統一されている場合もあります。
迷ったときは、前年の例や地域の担当者に確認して合わせるのが安心です。
参考より詳しい行事別マナーは、以下の記事で解説しています。
まとめ
封筒の表書きには、正解が一つだけあるわけではありません。
同じ「お金を包む」でも、相手や場面によってふさわしい言葉は変わります。
たとえば、祭りや行事の寄付なら「御花」、講師へのお礼なら「謝礼」や「寸志」、地域の手伝いへの感謝なら「お心付け」──どれも「ありがとう」「お世話になりました」という気持ちを形にした言葉です。
迷ったときは、形式よりも“気持ちが伝わるかどうか”を基準に選んでみてください。
それが、地域で長く続く人付き合いのいちばんのマナーです。
参考封筒の書き方や金額の目安をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。