自治会の規約改正って、なかなかハードルが高いですよね。
「総会に来られない人に、どう説明すればいいんだろう」
「反対意見が出たら、どう対応しよう」
「そもそも、ちゃんと理解してもらえるのかな」
私も臨時総会を開くことになったとき、同じ不安を抱えていました。
そこで試したのが、事前に「説明動画」を作って届けるという方法です。
約10分の動画をYouTubeに限定公開でアップし、LINEオープンチャットで共有しました。
結果、臨時総会当日は質問も反対意見もなく、全員賛成で可決できたんです。
この記事では、なぜ動画を作ろうと思ったのか、どうやって作ったのか、届け方、そして住民の反応まで、私の実体験をお伝えします。
なぜ臨時総会の前に「説明動画」を作ろうと思ったのか
一番の理由は、「参加できない人にも内容をきちんと届けたい」と思ったからです。
私が動画を作ろうと決めたきっかけは3つあります。
- 臨時総会に参加できない人がいる
- 文章だけでは伝わりにくい内容だった
- 事前に理解してもらえれば当日がスムーズになる
それぞれ詳しく説明します。
1.参加できない人にも届けたかった
総会は平日の夜や休日に開催することが多いですが、どうしても参加できない人がいます。
仕事の都合、体調、家庭の事情。 理由はさまざまですが、「参加できない=情報が届かない」という状態は避けたいと思っていました。
委任状を出してもらうにしても、内容を理解した上で判断してほしい。
その思いが出発点でした。
2.文章だけでは伝わりにくかった
今回の規約改正は、報酬の見直しと新しい役職の新設という内容でした。
文章で説明しようとすると、どうしても長くなります。
回覧で文書を配っても、最後まで読んでもらえるかわかりません。
「これは文章より、話して説明したほうが伝わるな」と感じました。
3.事前説明で当日をスムーズにしたかった
臨時総会の当日に初めて内容を聞いて、その場で賛否を判断するのは大変です。
事前に内容を知っておいてもらえれば、当日は確認程度で済みます。
質問や反対意見も、あらかじめ考えておいてもらえます。
「事前説明」と「当日の決議」を分けることで、お互いに楽になると考えました。
私が臨時総会で提案した規約改正の内容
参考までに、私が臨時総会にかけた規約改正の内容をお伝えします。
今回の議案は2つありました。
1.一部役員の報酬を見直す
過去の経緯で、一部の役職だけ報酬が異常に高くなっていました。
他の役員とのバランスが取れていない状態だったので、適正な水準に見直す必要がありました。 デリケートな話題なので、丁寧に説明しなければと思っていました。
2.デジタル化担当を新設する
回覧板のLINE化や、引き継ぎ資料のデジタル化など、自治会の運営にデジタルツールを取り入れる動きを進めていました。
今後もこの流れを続けていくために、「デジタル化担当」という役職を新設し、役割を明確にしておきたいと考えました。
説明動画の作り方|私が実際にやった手順
動画といっても、テレビ番組のような凝ったものを作る必要はありません。
私がやった手順は以下の4ステップです。
- 伝えたい内容を整理する
- スライド資料を作成する
- スライドに合わせてナレーションを録る
- 動画編集ソフトで仕上げる
伝えたい内容を整理する
最初に、何を伝えたいのかを箇条書きで整理しました。
- なぜ規約改正が必要なのか(背景・理由)
- 具体的に何を変えるのか(変更点)
- 変えることでどうなるのか(メリット・影響)
- 臨時総会で何を決議するのか(議案の内容)
この流れで話せば、聞いている人も理解しやすくなります。
スライド資料を作成する
次に、話す内容に合わせてスライドを作成しました。
使ったのはPowerPointですが、GoogleスライドやCanvaでも同じように作れます。
スライドを作り込んでおくと視覚的にわかりやすくなりますし、自分が話すときのガイドにもなります。
スライドに合わせてナレーションを録る
スライドができたら、画面を見せながら説明する形で音声を録りました。
私はパソコンの画面録画機能を使いましたが、スマホで画面を撮影しながら話す方法でも大丈夫です。
動画編集ソフトで仕上げる
録った動画を編集ソフトで整えます。
私はAdobe Premiere Pro(有料)を使いましたが、無料ツールでも十分です。
| 環境 | おすすめツール | 特徴 |
|---|---|---|
| Windows | Clipchamp | Windows 11に標準搭載、初心者向け |
| Windows | Shotcut | 無料で高機能、やや上級者向け |
| Mac | iMovie | 標準搭載、直感的に操作できる |
| スマホ | CapCut / InShot | 手軽に編集、SNS共有にも便利 |
編集といっても、余分な部分をカットする程度でOKです。
テロップやBGMを入れる必要はありません。
最終的に、約10分の動画に仕上がりました。
動画の届け方|YouTube限定公開+オープンチャットで共有
動画ができたら、住民に届ける方法を考えます。
私がやった方法は以下の2ステップです。
- YouTubeに限定公開でアップロード
- LINEオープンチャットでリンクを共有
1.YouTubeに限定公開でアップロード
私はYouTubeに動画をアップロードしました。
このとき、公開設定を「限定公開」にするのがポイントです。
限定公開にすると、リンクを知っている人だけが視聴できます(検索しても出てきません)。
自治会の内部資料として共有するには、この設定が安心です。
参考:YouTube 動画のプライバシー設定を変更する - YouTube ヘルプ
2.LINEオープンチャットでリンクを共有
動画のリンクが取得できたら、それをLINEオープンチャットで住民に配信しました。
私の自治会では、すでに回覧板をLINEに移行していたので、この流れがスムーズでした。
「臨時総会の説明動画をアップしました。事前にご確認ください」と一言添えて、リンクを共有。
これで、スマホからでもパソコンからでも、好きなときに視聴してもらえます。
住民の反応と臨時総会当日の様子
動画を配信した後、住民からいくつかの反応がありました。
「わかりやすかった」「理解できた」の声
いただいた感想をいくつか紹介します。
- 「動画を見ました。わかりやすかったです」
- 「文章だと読み飛ばしちゃうけど、動画だとちゃんと頭に入りました」
- 「規約改正の必要性が理解できました」
特に、報酬の見直しというデリケートな話題について、「背景がわかったので納得できた」という反応があったのは嬉しかったです。
当日の質問・反対意見はゼロ
臨時総会の当日、議案を説明した後に「ご質問やご意見はありますか?」と聞きましたが、挙手はありませんでした。
事前に動画で説明していたので、みなさん内容を理解した上で参加してくれていたんだと思います。
結果:全員賛成で可決
採決の結果、全員賛成で規約改正が可決されました。
正直、ここまでスムーズにいくとは思っていませんでした。
事前説明の効果を実感した瞬間です。
振り返り|成功のポイントと反省点
臨時総会が終わった後、振り返って感じたことをまとめます。
成功のポイント:スライドを作り込んだこと
一番良かったのは、スライド資料をしっかり作り込んだことです。
話すだけだと、聞いている側は内容を追いにくい。
でも、視覚的な資料があると、理解度がぐっと上がります。
スライド作成には時間がかかりましたが、その分「わかりやすかった」という声につながったと思います。
反省点:もっと短くできたかもしれない
今回の動画は約10分でしたが、もう少し短くできたかもしれません。
伝えたいことが多くてつい長くなりましたが、5〜7分くらいにまとめられると、より多くの人に最後まで見てもらえたかなと思います。
次に作る機会があれば、「本当に必要な情報だけに絞る」ことを意識したいです。
まとめ
今回は、臨時総会の前に説明動画を作成し、全員賛成で規約改正を可決できた体験をお伝えしました。
ポイントは以下の3つです。
- 事前に動画で説明することで、参加できない人にも内容を届けられる
- スライドを作り込むと、視覚的にわかりやすくなり理解度が上がる
- YouTube限定公開+LINE共有で、手軽に届けられる
動画制作と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、凝ったものを作る必要はありません。
スライドを画面に映しながら話すだけでも、文章だけより格段に伝わります。
「届けられなかった人に、どう届けるか」
この視点を持つだけで、総会の運営はずいぶん変わります。
あなたの自治会でも、ぜひ試してみてください。
