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「御花」「寸志」「謝礼」どう違う?自治会・町内会で恥をかかないお金マナー完全ガイド

KAZU

2年間自治会長を務め、役員会や地域行事での挨拶を多数経験。

実はわたし自身、人前で話すのが得意ではなく、いつも挨拶に悩んでいました。
だからこそ「短く・わかりやすく・安心して話せる」文例をまとめています。

同じように困っている方に、少しでも役立ててもらえれば嬉しいです。

地域行事や自治会の活動では、ちょっとした「お礼」や「お金の包み方」に迷うことがよくあります。
「御花?」「寸志?」「謝礼?」──どれが正しいの?と悩んだ経験、ありませんか。

実はこの3つの言葉は、使う相手や場面によって意味がまったく違います。

たとえば秋祭りなら「御花」、講師へのお礼なら「謝礼」、清掃活動の協力者には「寸志」。
それぞれに“ふさわしい”使い方があります。

本記事では、実際の自治会運営や祭りの現場でよく使われる「御花」「寸志」「謝礼」3つの言葉の意味と正しい使い分け方を、具体的な事例とともにわかりやすく解説します。

そもそも「御花」「寸志」「謝礼」はどう違う?

自治会の活動をしていると、同じ「お金を渡す」でも、「御花」「寸志」「謝礼」など、言葉がいくつも出てきます。
どれも“感謝の気持ち”を表す言葉ですが、実は 使う相手や場面がまったく違うんです。

「御花」は神事や祭礼への“お供え”

秋祭りや荒神祭などで神社に渡すお金。
それが「御花(おはな)」です。

人に対するお礼ではなく、あくまで神様や祭りへのお供えという扱い。
地域によっては「御花代」と書くのが一般的です。

「御花」は“人への謝礼”ではなく、“祭礼への志”を示す言葉です。

「寸志」は地域の仲間への“お気持ち”

「寸志(すんし)」は、いちばん使う場面が多い言葉です。
もともと「わずかですが…」という謙譲の表現から生まれた言葉で、清掃活動や餅つき大会など、手伝ってくれた人への感謝のしるしに使います。

たとえば班長さんや協力者へのお礼に「寸志」を選べば自然です。
金額は控えめでもOK。
大切なのは、“気持ちだけでも伝えたい”という心だからです。

「寸志」は金額よりも“気持ちの表現”。形式にこだわる必要はありません。

「謝礼」は依頼に対する“正式なお礼”

一方で「謝礼」はもう少しフォーマルな表現。
講師を招いた講習会や、防災訓練・文化行事などで、こちらからお願いして動いてもらった人へのお礼に使います。

「御礼」と書くこともありますが、どちらも「お世話になった方へのきちんとしたお礼」という意味合いです。

「謝礼」は“依頼に対する対価寄りの感謝”と覚えるとわかりやすいです。

誰に渡すかで言葉が変わる

用語主な場面相手表書き例補足
御花神事・祭礼神社・祭礼側御花/お花代お供え・浄財の意味。人へのお礼ではない。
寸志地域行事での手伝いなど協力者・役員・来賓寸志「わずかですが」の謙譲表現。感謝の気持ちを伝える用途。
謝礼講師・出演者など外部協力者謝礼/御礼労力や役務への正式なお礼。依頼に対する対価の意味合いも含む。

つまり簡単に言えば、

  • 「御花」は 神様へ
  • 「寸志」は 地域の仲間へ
  • 「謝礼」は 外部の協力者へ

どれも“感謝の形”ではありますが、そのお金が誰に向けられているのかを意識するだけで、使う言葉は自然と決まります。

正しさよりも、「この言葉なら気持ちが伝わるか」を大切にしましょう。

どの言葉を使えばいいの?自治会での使い分け目安

ここからは、実際の自治会行事を例にしながら、どんな場面で「御花」「寸志」「謝礼」を使うのが自然かを見ていきましょう。

秋祭り・神事の場合 → 「御花」

神社や地域の祭礼行事にお金を包む場合は、御花(おはな)が基本です。
お供えの意味を持つため、「御花代」と書くのが一般的。
人へのお礼ではなく、神様や祭礼そのものへの志という扱いになります。

神社や祭りの奉納金=御花。
人に渡すお礼とは別のカテゴリーです。

清掃・餅つき・地域イベント → 「寸志」

地域のボランティアやお手伝いなど、“みんなで作業したあとに少しお礼を”という場面では寸志(すんし)が最も自然です。
「わずかですが」の意味を持つため、金額は少額でもまったく問題ありません。
たとえば500円~1,000円程度でも十分気持ちは伝わります。

寸志は“金額の大きさ”よりも、“気持ちを形にすること”が目的です。

防災訓練や講習会など → 「謝礼」

防災訓練の指導員や講師、外部団体などに協力をお願いした場合は、謝礼を使うのが適切です。
こちらは正式な依頼に対するお礼なので、表書きは「謝礼」または「御礼」が一般的。
講師や出演者など“外部の方”へのお礼には、寸志よりも謝礼のほうが丁寧です。

  • 「依頼をした相手」には謝礼。
  • 「一緒に参加・協力してくれた仲間」には寸志。

この違いを意識すると失敗しません。

具体的な使い分け早見表

行事例相手適切な表現表書き例補足
秋祭り・神事神社・氏子代表御花御花/お花代奉納金・お供えの意味合い
防災訓練消防団・講師謝礼謝礼/御礼依頼に対する正式なお礼
清掃活動協力者・班長寸志寸志「気持ちばかりですが」の意味で軽めに
餅つき大会来賓・協力者寸志/御礼寸志/御礼相手によって使い分けOK
慶弔・見舞い会員・遺族などお見舞金・香典など各専用封筒別ジャンルのマナー

ひとことアドバイス

地域の慣習は本当にさまざまです。
「うちの地区では御花で通してるよ」「昔から寸志って言うのよ」
――そんな声があるなら、それを尊重してOKです。

形式よりも、相手への敬意が伝わる言葉を選ぶことが一番のマナーです。
迷ったら、「去年どうしていたか」を参考にするのも安心ですね。

失礼にならない「表書き」と封筒の書き方

言葉を正しく選べても、封筒の表書きや書き方で迷う人は多いです。
とくに自治会の行事では、形式にこだわりすぎず、丁寧で読みやすいことを意識すれば十分です。

封筒の選び方

まず、水引(みずひき)の有無を確認しましょう。

  • 紅白蝶結び … 何度あってもよいお祝いごと(例:清掃活動、行事協力など)
  • 紅白結び切り … 一度きりの行事や正式な謝礼(例:講師謝礼など)
  • のしなし白封筒 … 神事・御花・お供え系(シンプルな方が好印象)

「御花」や「寸志」「謝礼」いずれも、自治会の現場では市販ののし袋か白封筒でOKです。
見た目が清潔であれば、過度に高級な封筒を使う必要はありません。

封筒は“気持ちを包むもの”。豪華さよりも「きれいに整っていること」が大切です。

表書きの書き方

封筒の上段(中央)に上書きを、下段に名前を書きます。
筆ペンまたは黒サインペンで、楷書で丁寧に書きましょう。

用途上書き例下段(名前)備考
神事・祭礼御花/お花代氏名または団体名神社・祭礼側へのお供え
協力者・来賓寸志/御礼自治会名+氏名謙譲表現で柔らかく
講師・出演者謝礼/御礼自治会名+会長名など依頼に対する正式なお礼

名前の書き方のコツ

個人で渡す場合は氏名のみでOK。
自治会として渡す場合は「〇〇自治会」「〇〇班」など団体名を添えると丁寧です。
中袋がある場合は金額を、ない場合は裏面左下に金額を小さく書いておくと、受け取る側もわかりやすくなります。

▶ 詳しく知りたい方はこちら:「謝礼・寸志の封筒の書き方完全ガイド」
▶ 中袋がない封筒の書き方:「中袋なし封筒の書き方」

金額の決め方にもマナーがある

「いくら包めばいいのか」は、誰もが一度は迷うところです。
特に自治会では、金額が大きすぎても小さすぎても気を遣うもの。

ここでは、あくまで“目安”として考え方を整理しておきましょう。

「御花」「寸志」「謝礼」で考え方が違う

包む目的が違えば、金額の相場も自然と変わります。

種別一般的な相場備考
御花(お花代)1,000円〜5,000円程度地域の祭り規模により差が大きい。神事への志として。
寸志500円〜2,000円程度手伝い・協力者への気持ちとして。無理のない範囲でOK。
謝礼3,000円〜10,000円程度講師・出演者などへの正式なお礼。依頼内容や時間で調整。

大切なのは“相場に正解はない”ということです。
金額そのものよりも、「相手にどう受け取られるか」を基準にすると、自然に決められます。

地域の慣習を最優先に

同じ自治会でも、班や地区ごとに金額の感覚が違うことがあります。
「去年はどうしていたか」「近隣の班はいくら包んだか」を確認しておくと安心です。

ただし、無理をして合わせる必要はありません。

祭りの御花などで金額に差があるのは普通のこと。
大切なのは「無理なく、気持ちよく続けられる金額」にすることです。

会計処理や記録の面も意識して

役員や会計担当者としては、記録に残すことも忘れずに。
どの行事で誰にいくら包んだかを一覧にしておくと、次年度の参考になります。
これを共有しておくと、「相場がわからない」「去年どうだった?」という悩みが減ります。

関連記事

金額の相場をもっと具体的に知りたい場合はこちらの記事も参考にしてください。
【謝礼はいくら包む?地域行事での相場とリアルな考え方】内部リンク

まとめ

ここまで見てきたように、「御花」「寸志」「謝礼」はどれも“感謝の気持ち”を表す言葉ですが、相手や場面によって意味が少しずつ違います。

  • 御花 … 神事や祭礼に対して捧げるお供え
  • 寸志 … 地域の仲間や協力者に渡す「わずかですが」の気持ち
  • 謝礼 … 依頼に応じて動いてくれた人への正式なお礼

どれを選ぶかで迷うときもあると思いますが、大切なのは「そのお金が誰に向いているか」を考えること。
そしてもう一つ、形式ばかりを気にせず、感謝の気持ちを丁寧に伝えることです。

地域行事は、人と人とのつながりのうえで成り立っています。
正しい言葉を知ることも大事ですが、「これで伝わるかな」「気持ちよく受け取ってもらえるかな」——そう考えながら包むこと自体が、いちばんのマナーと言えるでしょう。

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だからこそ「短く・わかりやすく・安心して話せる」文例をまとめています。

同じように困っている方に、少しでも役立ててもらえれば嬉しいです。

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