自治会の役員交代にあわせて開かれる「歓迎会」や「送別会」。
「何を話せばいいのか分からない…」
「長すぎても短すぎても場がしらけそう…」
と悩む方は多いと思います。
最近はお酒を伴わず、1時間ほどで終える簡易的な“顔合わせ型”も増えていますが、
きちんと会食を伴って行う“しっかり型”の進行もあります。
本記事では、どちらのケースでも安心して使えるように、
進行の流れ(顔合わせ型/会食型)と挨拶文例(フォーマル・ショート・くだけた)を一つに整理。
初めて挨拶を任された方でも、そのまま読んで使える実用例を用意しました。
歓迎会・送別会の趣旨と進行の流れ
役員の交代は、地域活動にとって大切な節目になります。
歓迎会や送別会は、単なる集まりではなく「感謝」と「つながり」を確認する場です。
ただし、実際には自治会ごとに進め方はさまざまです。
最近はお酒を伴わず、1時間程度で終える“顔合わせ型”も多くなっています。
一方で、昔ながらの会食を交えた“しっかり型”の進行を残している地域もあります。
どちらのケースでも対応できるよう、以下のように進行例をまとめました。
歓迎会・送別会の進行パターン(2タイプ比較)
顔合わせ型(簡易版) | 会食型(しっかり版) | |
---|---|---|
所要時間 | 30分〜1時間程度 | 2時間程度 |
開会 | 会長または進行役が一言 | 同左 |
新役員の紹介 | 名前と一言挨拶のみ | 名前と抱負を少し詳しく |
退任役員への感謝 | 会長が代表して感謝を述べる | 感謝の言葉+花束や記念品贈呈 |
退任役員本人の挨拶 | 簡単に一言 | 少し長めに感謝や思い出を語る |
乾杯・歓談 | 省略か、軽くお茶で乾杯 | お酒や食事を伴って交流 |
閉会 | まとめの挨拶で終了 | 閉会挨拶で締め |
歓迎会の挨拶文例
フォーマルな挨拶
パターン1
本日はこのように歓迎の場を設けていただき、誠にありがとうございます。
私たち新役員一同は、これまでの役員の皆さまが築き上げてこられた活動をしっかりと引き継ぎ、地域の安全や親睦を守るために力を尽くしてまいります。
私自身、まだ未熟な点も多いかと思いますが、皆さまのお力添えをいただきながら精一杯努めてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
パターン2
新役員を代表してご挨拶申し上げます。
これまで地域の活動を支えてくださった役員の皆さまのご尽力に、まずは心より感謝申し上げます。
私たち新役員もその思いをしっかりと受け止め、今後の地域づくりに貢献できるよう努めていきたいと考えております。
至らない点もあるかと存じますが、皆さまの温かいご指導をいただきながら成長していければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
シンプルな挨拶
パターン1
ただいまご紹介いただきました〇〇です。
初めて役員を務めさせていただくことになり、不慣れなことも多いかと思いますが、地域の皆さまと一緒に少しずつ学びながら進めていければと思っています。
活動を通して皆さまのお役に立てるよう、精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
パターン2
新しく役員に加わりました〇〇です。
日頃から地域の皆さんに支えられていることを実感しており、今度は自分もその一員として少しでも力になりたいと思っています。
小さなことからでもできることを精一杯やっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
パターン3
役員を務めさせていただくことになりました〇〇です。
こうして地域の皆さんと力を合わせて活動できることを大変うれしく思っています。
まだまだ学ぶことばかりですが、これからの一年間、安心して暮らせる町づくりに少しでも貢献できるよう努力してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
パターン4
本日から役員を務めることになりました〇〇です。
私はこれまで参加者として地域の行事に関わることが多かったのですが、今回役員という立場で関わることで、さらに地域に貢献できるのではと考えています。
至らないところは率直に教えていただければ幸いです。皆さまに支えていただきながら、少しずつ成長していければと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
パターン5
新役員の〇〇です。
今回このような大切な役割を担うことになり、正直なところ身の引き締まる思いです。
しかし、決して一人で背負うのではなく、皆さんと一緒に力を合わせることで必ず良い活動につながると信じています。
無理のない範囲で、できる限りのことを精一杯やっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
親しみのある挨拶
パターン1
はじめまして、新役員になりました〇〇です。
役員は初めてで分からないことも多く、正直かなり緊張していますが、皆さんと一緒に活動できるのを心から楽しみにしています。
これから一年間、地域の行事や活動に積極的に関わり、皆さんに気軽に声をかけていただけるような存在になりたいと思っています。
至らない点は多々あるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします!
パターン2
新しく役員に加わりました〇〇です。
普段から地域の皆さんにお世話になっているので、今度は少しでもその恩返しができればと思い、お引き受けしました。
肩ひじ張らず、楽しく取り組んでいければと思っていますし、「ちょっと頼んでみようかな」と思っていただけるような役員になりたいと思います。
これからどうぞよろしくお願いいたします。
パターン3
こんばんは、〇〇です。
役員を務めるのは初めてで、慣れるまでは時間がかかるかもしれません。
ただ、この地域に暮らす皆さんと一緒に活動できるのはとても心強いですし、楽しみでもあります。
お互いに楽しく、そして安心して暮らせる町をつくっていけるように、全力で頑張ります。どうぞよろしくお願いします。
送別会の挨拶文例
フォーマルな挨拶
パターン1
本日はこのような送別の会を開いていただき、誠にありがとうございます。
任期中は、多くの方々にご協力をいただき、なんとか役目を果たすことができました。
地域の行事や活動を通じて、皆さまとのつながりを深められたことは、私にとって大変貴重な経験となりました。
本日をもって役を退きますが、これからは一会員として地域を支えてまいります。
これまで本当にありがとうございました。
パターン2
役員としての任期を終えるにあたり、このような温かい場を設けていただき、心から感謝申し上げます。
在任中は至らぬ点も多々あったかと思いますが、皆さまのご理解とご協力に支えられ、活動を続けることができました。
この経験は私にとってかけがえのない財産です。
今後は陰ながら地域の発展を応援してまいります。長い間、本当にありがとうございました。
シンプルな挨拶
パターン1
本日は送別の会を開いていただき、ありがとうございます。
皆さまのお力添えのおかげで、無事に役員の任期を終えることができました。
感謝の気持ちを胸に、今後も地域活動を応援していきたいと思います。
パターン2
役員を務めさせていただきました〇〇です。
こうして皆さんに送り出していただけることを大変ありがたく思います。
至らない点も多かったと思いますが、最後まで支えていただき、本当にありがとうございました。
パターン3
短い間でしたが、役員として多くの経験をさせていただきました。
行事や活動を通じて地域の皆さんと交流できたことは、私にとって大きな財産です。
今後は一参加者として、引き続きよろしくお願いいたします。
パターン4
本日はありがとうございます。
振り返れば、役員として活動する中で大変なこともありましたが、それ以上に楽しい思い出が多く残っています。
ご協力いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。
パターン5
役員としての任期は終わりますが、この地域で暮らし続けることには変わりありません。
これからは一会員として、できる形でお手伝いを続けていきたいと思っています。
今まで本当にありがとうございました。
親しみのある挨拶
パターン1
今日まで本当にお世話になりました。
役員としては一区切りとなりますが、地域の皆さんと一緒に活動できたことは本当に楽しい思い出です。
今後は少し肩の力を抜いて、一会員として引き続き関わらせていただきたいと思います。
これからもよろしくお願いします!
パターン2
役員の任期を振り返ると、大変なこともありましたが、それ以上に多くの人に支えられたことを実感しています。
至らない点をカバーしてくださった皆さんには感謝しかありません。
これからも気軽に声をかけていただければうれしいです。本当にありがとうございました!
パターン3
あっという間の任期でしたが、行事や活動を通じて、地域のみんなと一緒に汗を流せたことが何よりの思い出です。
今後も「手が足りないときに気軽に呼べる人」として、参加していきたいと思っています。
これからもよろしくお願いします。
進行役が使える言葉の例
開会の挨拶
皆さま、本日はお忙しい中、新旧役員の歓迎会・送別会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。
まずは、これまで地域のために尽力いただいた退任役員の皆さまに、心より感謝を申し上げます。
そして、新しく役員に就任された皆さまには、今後の活動に大きな期待を寄せております。
今日は堅苦しい場ではなく、皆さまに気軽に交流していただく時間です。どうぞ最後まで和やかにお過ごしください。
新役員紹介へのつなぎ
ここで、新しく役員に加わられた皆さまをご紹介したいと思います。
お一人ずつ、お名前と今後の抱負を簡単にお話しいただければ幸いです。
緊張されているかもしれませんが、どうぞ皆さん、温かい拍手で迎えていただければと思います。
退任役員への感謝
続きまして、任期を終えられた役員の皆さまへ感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
日々の地域活動、行事の準備や運営など、多くのご尽力をいただきました。
皆さまのおかげで地域のつながりが一層深まりましたことを、この場を借りて心より御礼申し上げます。
どうぞ皆さん、盛大な拍手をお願いいたします。
歓談・乾杯の前
それでは、ここからは皆さまに自由に交流していただく時間にしたいと思います。
その前に、乾杯をして雰囲気を和やかにできればと思います。
乾杯のご発声は、〇〇さんにお願いしております。
皆さま、どうぞグラスのご準備をお願いいたします。
閉会の挨拶
そろそろお時間となりましたので、閉会のご挨拶をさせていただきます。
本日は、新役員の皆さまの門出を祝い、また退任役員の皆さまへの感謝を伝えることができ、とても有意義な時間となりました。
今後も地域の発展のために力を合わせ、よりよい活動を続けていきたいと思います。
本日は誠にありがとうございました。
アレンジのコツ
挨拶や進行の言葉は、文例をそのまま読んでも十分ですが、
少し工夫を加えると「自分の言葉」としてより自然に伝わります。
- 地域の話題を入れる
例:「先日の防災訓練でも新旧役員の皆さんにご協力いただき…」 - 季節の言葉を添える
例:「春の暖かさとともに、新しい体制で活動を始められるのをうれしく思います」 - 感謝を具体的に伝える
「日々の見回りや行事準備に力を尽くしていただきました」など具体的に触れると、気持ちが伝わりやすい - 一言ユーモアを入れる(くだけた会の場合)
例:「まだ肩書きに慣れず、妻に“会長さん”と呼ばれると照れてしまいます」 - 自分の抱負を一文だけ足す
例:「地域の皆さんと協力しながら、安心して暮らせる町づくりに努めます」
ポイントは、全体は短くまとめつつ、自分らしい一言を添えること。
そうすることで、場の空気が柔らかくなり、聴いている人の心に残りやすくなります。
挨拶で気をつけるポイント
歓迎会や送別会での挨拶は、長すぎても短すぎても場の雰囲気を崩してしまいます。
ここでは安心して話せるよう、気をつけたいポイントをまとめました。
- 長く話しすぎない
→ 目安は30秒から1分程度です。会の流れを止めないように、要点を絞って話しましょう。 - 感謝の言葉を必ず入れる
→ 「これまで支えてくださった皆さんに感謝します」「新しい仲間として迎えていただきありがとうございます」など、一言添えるだけで印象が大きく変わります。 - ネガティブにしない
→ 苦労話や不満ではなく、「学びになった」「仲間に恵まれた」といった前向きな表現に置き換えましょう。 - 会の雰囲気に合わせる
→ 顔合わせ型のように短時間で終える会なら簡潔に、会食型のように和やかな会なら少し笑顔やユーモアを交えても構いません。 - 自分の言葉を一文加える
→ 「子どもの見守りに力を入れたい」「地域行事を楽しみにしています」など、自分らしい一言を入れると、聞いている人の心に残ります。
大切なのは「感謝」と「前向きな言葉」。この2つを入れておけば、多少アドリブになっても自然にまとまります。
まとめ
自治会の歓迎会や送別会は、新旧役員の顔合わせと感謝を伝える大切な場です。
最近は1時間ほどで終える簡易型も増えていますが、昔ながらの会食型を続ける地域もあります。
この記事では、両方の進行パターンと挨拶文例を紹介しました。
共通して大切なのは、感謝の気持ちを込めて、前向きな言葉で締めることです。
「何を話せばいいか分からない」と悩んだときは、ここで紹介した文例をそのまま読んでも大丈夫。
少しアレンジすれば、自分らしい挨拶として自然に伝わりますよ。