自治会の役員になった。でも、何をすればいいのかわからない。
引き継ぎ資料を見ても、よくわからない…。
前任者に聞いても、なんだか冷たい対応をされる…。
役場からいろいろ届くけど、どう対応すればいいのかわからない…。
私も自治会長になった最初の1ヶ月、同じ状況でした。
「見てわかるなら苦労せんわ!」
「こんなんボランティアでやることじゃない」と何度思ったことか。
この記事では、私が経験した「最初の1ヶ月の現実」と、どう乗り越えたかを正直にお伝えします。
これから役員になる方、今まさに困っている方の参考になれば嬉しいです。
最初の1ヶ月でやること一覧
最初の1ヶ月は「挨拶・名義変更・スケジュールの把握」で8割が終わります。
完璧を目指さず、まずは「年間行事の確認」と「連絡手段の確立」を最優先してください。
まずは、全体像を把握しましょう。
私が実際に最初の1ヶ月で行ったタスクをリスト化しました。これを印刷、またはスマホのメモにコピーして使ってください。
| ステータス | 項目 | 具体的な内容・注意点 |
|---|---|---|
| [ ] | 前任者との引き継ぎ | 資料の受け渡し、通帳・印鑑の受領、鍵の受け取り。 |
| [ ] | 役員間の連絡網作成 | LINEグループの作成がおすすめ(電話連絡網は大変すぎるため)。 |
| [ ] | 役場への届出 | 役員変更届の提出(認可地縁団体の場合は代表者変更登記も)。 |
| [ ] | 銀行口座の名義変更 | 会費管理用の通帳の名義人を新会長へ変更。 |
| [ ] | 名簿の整理 | 転入・転出者の確認と会員名簿の更新。 |
| [ ] | 保険の手続き | 自治会活動保険の更新・申請(4月に行うことが多い)。 |
| [ ] | 年間行事の把握 | 「いつ・何があるか」だけ日付を確認する。 |
| [ ] | 新任役員研修への参加 | 役場や自治会連合会が主催する研修への出席。 |
これだけ見ると「事務作業」に見えますが、実際は「誰に何を聞けばいいかを探す作業」がほとんどです。
最初から全てを理解しようとしなくて大丈夫。「とりあえず4月の総会(または最初の集まり)を乗り切る」ことだけを目標にしましょう。
引き継ぎの現実|「資料を見てもわからない」
引き継ぎ資料は「過去の書類をファイリングしただけのゴミ」であることが多いです。
「資料だけで理解するのは不可能」と割り切り、わからなければその都度聞く覚悟が必要です。
「ちゃんと引き継ぎ資料があるから大丈夫」
そう言われて安心していた私がバカでした。
ファイリングされているだけの紙束
実際に渡されたのは、過去数年分の回覧板や領収書が無造作に閉じられたキングファイル数冊。
マニュアルのような手順書は一切ありませんでした。
- 「このイベントの準備はいつから始めるの?」
- 「誰に連絡すればいいの?」
- 「予算はどうなってるの?」
資料を見ても、結果(終わった後の報告書)しか残っておらず、プロセス(やり方)が全く書かれていなかったのです。
前任者のスキルに依存する恐怖
引き継ぎの質は、完全に「前任者の事務処理能力」に依存します。
几帳面な人が前任なら天国ですが、適当な人が前任だと地獄を見ます。
「例年通りやってください」と言われても、その「例年」がこのファイルからは読み取れない。
「もっとわかりやすい形で残してくれていたら…!」という恨み節が、毎晩のように頭をよぎりました。
最初の1ヶ月で困ったこと
特に困るのは「アナログ作業の非効率さ」と、私の場合の「前任者の冷たさ」でした。
自分の常識(ビジネスの効率性など)が通用しない世界であることを覚悟してください。
実際に私が最初の1ヶ月で直面し、精神を削られた3つの壁を紹介します。
1.役場対応とアナログ地獄
役場からは容赦なく書類が届きます。
募金の依頼、広報誌の配布依頼、各種調査票…。
「世の中はDX(デジタルトランスフォーメーション)だ、AIだと言っているのに…」
そう嘆きたくなるほど、自治会の世界はアナログです。
届いた書類に対応するために、山のような引き継ぎ資料から前回の控えを探し出す。この「紙の中から紙を探す作業」に膨大な時間を奪われました。
2.研修を受けても「頭でっかち」になるだけ
不安の中、役場主催の「新自治会長研修」に参加しました。
しかし、そこで語られるのは「自治会の意義」や「地域コミュニティの重要性」といった総論ばかり。
「いや、私が知りたいのは、来週の回覧板をどう回すかなんですよ!」
具体的な実務は現場任せ。研修を受ければ受けるほど「やらなきゃいけないこと」のリストだけが増え、頭でっかちになっていきました。
3.前任者に聞いても「資料見て」
これが一番精神的にきました。
わからないことがあるたびに前会長にLINEで質問していたのですが、回数を重ねるごとに返信が遅くなり、文章も短くなっていきました。
そして最後には一言。
「資料に全部あるはずなので、確認してください」
その時、私は思いました。
「お前は経験したからわかるだろうけど、俺は素人やねん! 見てわかるなら苦労せんわ!」
「こんなんボランティアでやることじゃない…」と、心が折れかけました。
どう乗り越えたか|我慢と割り切り
乗り越えるコツは「プライドを捨てて聞くこと」と「60点でいいと割り切ること」です。
前任者に嫌がられても、任期が終われば他人です。気にせず聞きましょう。
怒りや不安を抱えながら、どうやって最初の1ヶ月を乗り切ったのか。
答えは精神論になってしまいますが、以下の2つしかありませんでした。
1. 嫌われてもいいから「聞く」
資料を見てもわからないものは、前任者に聞くしかありません。
「資料を見て」と言われても、「見てもここがわかりませんでした。具体的にはAですか?Bですか?」と食い下がりました。
向こうが面倒くさそうにしても、関係ありません。
「わからないまま進めて事故るより、今恥をかいて聞くほうがマシ」と腹を括りました。
2.我慢と割り切り
「なんでこんな非効率なことを…」と思うことも多々ありましたが、最初の1ヶ月で改革を起こすのは不可能です。
「今は下積み期間。文句を言っても仕事は減らない」と割り切りました。
これは、ある種の「我慢」です。
しかし、この我慢は永遠には続きません。「最初の1ヶ月だけ」と思えば、なんとか耐えられます。
自分が引き継ぐときは「次の人が楽になるように」
あなたの代で「負の連鎖」を断ち切りましょう。
自分がされて嫌だったことは、次の人にはしない。これだけで、自治会は劇的に良くなります。
私がイライラや理不尽を乗り越えられた最大のモチベーション。
それは、「自分が引き継ぐときは、絶対にあんな思いはさせない」という決意でした。
負の遺産を「資産」に変える
私は1年かけて、以下のことを行いました。
- 資料のデジタル化:
紙の書類をスキャンし、Googleドライブ等で共有できるようにした。 - マニュアル作成:
「結果」だけでなく「手順(フローチャート)」を残した。 - 不要な行事の廃止:
「前例踏襲」だけで続いていた無意味なタスクを削減した。
「いちいち聞かれない」引き継ぎを目指す
「次の人のため」と言うと聞こえはいいですが、実は「自分のため」でもあります。
わかりやすい資料を残せば、退任した後に「これどうやるんですか?」という電話がかかってこなくなります。
「自分がされて嫌だったことを、次の人にはしない」
この一心で動いた結果、次の会長さんからは「すごく分かりやすくて助かりました」と感謝されました。
その時初めて、あの苦労が報われた気がしました。
新任役員へのアドバイス
「完璧主義」は捨ててください。 自治会運営に正解はありません。
困ったら周りを頼り、自分ができる範囲でやる。それが長く続けるコツです。
これから激動の1ヶ月を迎えるあなたへ、私からのアドバイスです。
- わからなければ遠慮せず聞く
- 前任者が冷たくても、役場の担当者や他の役員に聞いてください。一人で抱え込むのが一番危険です。
- 「ボランティアだから」と割り切る
- 仕事ではありません。給料も出ません(わずかな手当のみ)。だから、死ぬ気でやる必要はありません。60点の出来で十分です。
- 我慢は「改革」へのエネルギーにする
- 「おかしい」と思った怒りは、メモしておいてください。あなたが慣れてきた頃、それが業務改善のヒントになります。
- 出口を見据える
- 必ず任期終了は来ます。「自分が引き継ぐときに楽にする」ことをゴールに設定すると、前向きになれます。
まとめ|最初の1ヶ月を乗り越えれば、あとは楽になる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 最初の1ヶ月は正直キツい。 資料を見てもわからないのが当たり前。
- 前任者が冷たくても気にしない。 プライドを捨てて聞きまくる。
- 完璧を目指さない。 アナログな作業にイライラしても、最初は「我慢」が必要。
- 「次の人が楽になるように」動く。 負の連鎖はあなたの代で断ち切る。
「見てわかるなら苦労せんわ!」
その気持ち、本当によくわかります。
今はしんどいと思いますが、最初の3ヶ月(夏祭りぐらいまで)を乗り越えれば、業務の流れが見えてきて一気に楽になります。
まずは深呼吸して、目の前の「今日やること」を一つずつ片付けていきましょう。
あなたの自治会運営が、少しでもストレスなく進むことを心から願っています。
【次に読むべき記事】
- 引き継ぎで失敗したくない方へ→ 自治会の引き継ぎチェックリスト|1時間で終わる仕組みの作り方
- 1年間の流れを知りたい方へ→ 自治会長の仕事(年間スケジュール完全版)


